お庭やベランダ、室内に敷くだけで簡単に芝生を楽しめる人工芝。
コロナ禍でおうち時間が増えた今、DIYで人工芝を敷く人も増えています。
使い方や用途の目的はたくさんありますが、例えばお庭では雑草対策になりますし、夏場は人工芝の上でプール遊びをすれば足が泥で汚れずに済むので、小さいお子さんがいる家庭におすすめです。
他には、犬がいるご家庭ではドックランとして利用すると、人工芝はクッション性が高いのでワンちゃんの足腰の負担が少なく済みます。
お庭だけでなく、ベランピング(ベランダでキャンプをする)の際に、ベランダに敷くだけでもグッと雰囲気が出るので、自宅でのアウトドアに力を入れたい方にはぜひ試してみて欲しいです。
ところで、この人工芝ですが、ネットやホームセンターを調べてみると意外と種類やメーカーが多く、どれを選べばいいか悩む方も多いと思います。
そこで今回は、人工芝を購入する際に気を付けたい5つの比較ポイントについてご紹介していきます。
購入を検討している方、人工芝選びで悩んでいる方は是非参考にしてみてください!
ポイント1:ロールタイプかジョイントタイプか
まず、人工芝は大きく分けて2種類存在します。
1つ目はシート状の人工芝がくるくる巻かれた状態で販売されている『ロールタイプ』。
2つ目は30㎝×30㎝のパネルを組み合わせて使用する『ジョイントタイプ』です。
どちらか迷ったら、施工面積を測って、それぞれ何m・何枚必要になるのか、購入しようとしている人工芝の金額がいくらになるのか計算して決めましょう。
ロールタイプ
このタイプの人工芝は主に広範囲に使用したい場合に使います。
1m×10m、1m×20m、2m×10mといった長さで販売されており、ネット販売やホームセンターではこのサイズで購入することになります。
人工芝専門店では必要な長さにカットして販売してくれるところもあるので、もしピッタリのサイズが欲しい場合は専門店に問い合わせしてみましょう。
お庭やベランダ、室内など敷く場所は選ばないのですが、施工の際は整地作業が必要になってきます。
ジョイントタイプ
ジョイントタイプの人工芝は、主に限られた狭い範囲に敷く場合に使用するもので、ベランダなどと相性がいいです。
複数枚を連結させて使いますが、商品によっては同じ規格で作られたウッドパネルと連結させることもできるので、デザインを自由に変えられることが大きなメリットです。
ロールタイプ、ジョイントタイプどちらを買うかは、人工芝を敷く範囲によります。
お庭一面に敷きたいならロールタイプの方がいいですし、狭いベランダならジョイントタイプがおすすめです。
ポイント2:パイル(芝葉)の長さ
パイルとは人工芝の芝葉のことです。
大きく分けて、ロングパイルとショートパイルの2種類あります。
ロングパイル
20mm~45mm程度の長い芝葉をロングパイルと呼びます。
ロングパイルのメリットは、見た目が本物の芝生に近いことと、クッション性が高いことです。
最近の人工芝は芝葉を何種類かの色を混ぜて作られているので、まるで本物のような見た目をしています。
加えて芝葉が長いと、芝が生い茂っているように見え、基盤になっているシートが見えないので人工感がありません。
また、芝葉が長い分ふかふかしてクッション性が高くなるので、人工芝の上で転んだときに怪我をしにくいです。
小さなお子さんがいるご家庭では、長めの芝葉の方が合っているかもしれませんね。
20~45mmの中でどれくらいの長さはベストかというと、それは好みになってしまうので、実際に手触りを確かめたりして選択してください。
一般的には、芝葉が長い方が、クッション性が高い分へたりにくいという特徴を持ちますが、芝葉の形や芝の密度にもよるので、最終的には手触りで決めた方が良いと思います。
ショートパイル
短い芝葉をショートパイルと呼びます。
10mm以下のものが多く、用途はゴルフ用だったりテニス用だったり、スポーツ向きの人工芝のため、お庭でゴルフの練習をしたい方や、本格的なサッカーの練習をしたいといった方におすすめです。
本物の芝生のようなお庭にしたい場合は向いていません。
また、スポーツ用として敷く場合には、下地となる地面をしっかり作り込む必要があるため、DIYで施工するのはおすすめできません。
信頼できる人工芝施工会社に依頼するほうが良いでしょう。
ポイント3:素材
人工芝の芝葉部分の素材は合成樹脂です。
主に「ナイロン」「ポリプロピレン」「ポリエチレン」の3種類から作られていることが多いですが、それぞれ特徴が違うので、人工芝選びの際は素材にも気を使って考えてみてください。
ナイロン
人工芝の初期から素材として使われているナイロンは実に様々人工芝に使用されています。
特徴は手触りが柔らかいことです。
まるで天然芝のように柔らかいので、パターゴルフ用の人工芝など、ショートパイルの人工芝に多く使用されています。
ナイロンのデメリットは次に紹介する2つの素材に比べて耐久性が低かったり、紫外線で色あせるスピードが早かったり、水分を含みやすいため傷みやすいことなどが挙げられます。
いずれも屋外で使用した場合にデメリットを強く感じられるので、屋内で使用する場合は気にしなくて大丈夫でしょう。
他の素材に比べて安価なことも良い点です。
ポリプロピレン
ポリプロピレンはナイロンよりも耐久性が高く、紫外線にも強い素材です。
水にも強いので、人工芝の上でプール遊びをしたい方や、プランターを置いてガーデニングを楽しみたいと思っている方にはピッタリです。
ただ、手触りが硬いことと、今回紹介している3種類の素材の中で一番値段が高いことがデメリットです。
ポリエチレン
3種類の中で最もバランスが良い素材です。
ナイロンよりは硬いですが、肌触りとしては十分柔らかいので、もし迷ったら実際に触ってみて決めると良いと思います。
耐久性も高く、紫外線にも強いですが、ポリプロピレンよりも安く、まさに良いとこ取りしたバランス型の素材です。
ポイント4:耐久性
人工芝の寿命は平均7~8年ですが、商品によっては2~3年のものも、10年も持つものもあります。
耐久性は人工芝の素材によっても異なりますが、他にも注意したいポイントがあります。
次のポイントをクリアした人工芝は耐久性が高いので、こうした商品を選びましょう。
ポイント1:パイル(芝葉)の形が平型でない(CやVなど)
人工芝のパイルは良く見ると様々な形があります。
普通の平型は手触りがいいのですが、すぐにパイルが潰れて倒れてしまいます。
C型やV型などのパイルは、そうした潰れてしまうことを防ぐために作られていて、もし芝葉が倒れてしまってもデッキブラシなどで起こしてあげれば元に戻ります。
ポイント2:パイルが高密度のもの
パイルが高密度だと上からの圧力を分散させるので、芝葉が重さで潰れるのを防いでくれます。
なるべく芝葉の密度が高いものを選びましょう。
ポイント3:透水穴がしっかりある
人工芝の裏には水を通す透水穴があります。
雨が降った場合やプールの水などを下に流すための穴で、この穴が少ないと水が流れないのでずっと濡れたままになり、そのままカビてしまう恐れがあります。
表面だけでなく裏面も良く見て決めましょう。
ポイント5:機能面
人工芝自体に様々な機能がついたものが販売されています。
今回はその中でも良く見られるものをご紹介します。
抗菌・防カビ仕様
抗菌機能や防カビ機能は、小さいお子さんがいるご家庭や素足で芝生の上で過ごしたいという方にとって重視したいポイントですね。
人工芝は一度敷いたら敷きっぱなしになりますし、屋外に敷いた場合は雨ざらしになるので梅雨時期はカビも心配です。
衛生面を気にする方は、こうした機能付きのものを買うと安心です。
「好みの人工芝に抗菌機能がついていない」という方は、人工芝は丸洗いできますし、汚れには中性洗剤(普通の食器用洗剤でOK)を使えば十分落ちます。
消毒用エタノールも使用できるので、機能が付いていなくても普段のお手入れをしっかりすれば衛生的に使えますよ。
静電気防止機能
人工芝の素材はポリエチレンといったプラスチックです。
冬場は静電気が溜まりやすく、ふとした習慣にバチっとくることも多いです。
気を付けたいのがドックランとして使用する場合で、ワンちゃんが人工芝を怖がってしまうことがあります。
防ぐためには最初から静電気防止機能が付いた人工芝を使うこと、他に芝生で過ごす前に水を撒く、などの対処をすると良いですよ。
防炎機能
基本的に人工芝は燃えにくい素材で出来ています。
火を落としても、芝生が溶けるだけで燃え広がってはいきません。
その中でも「公益財団法人日本防炎協会(JRA)」で一定の基準をクリアした商品は認定を受けて「防炎機能付き人工芝」として販売されています。
安全が保障されているだけで、基本的に人工芝は燃え広がらないように作られているので、防炎機能が付いてないから危ない商品という訳ではありません。
とはいえ、防炎機能が付いた人工芝でも火気厳禁なので、芝生の上でバーベキューなどはしないよう注意してくださいね。
人工芝は比較して良いものを選ぼう!
人工芝購入時に気を付けたいポイントを5点ご紹介しました。
今回ご紹介したことに気をつけて、可能ならサンプルを取り寄せ、比較しながら選ぶと良いでしょう。
また、使い方や施工方法によっても人工芝が長持ちするかどうかは変わります。
10年くらい確実に長持ちさせたい場合は、DIYより人工芝施工会社に頼んでしまうのも手です。
人工芝選びと並行して、DIYにするか施工会社に依頼するかも考えていきましょう。